エンジン製作編 [3/4]


いよいよエンジン本体組み付け。多くの工程を経てやっとこの日を迎えられます。
クリーンルームのないプライベータは、丸1日晴れ・無風の超穏やかな休日を待ち望んで一気にやるしかありません。
それでいて組み間違い、トルク狂いは一発アウトなのでかなりの集中力が必要。
時間を忘れて没頭するとはまさにこのこと。

ちなみに組み付け直前までにコンロッドボルト、各キャップボルト、ヘッドボルトなどエンジン内に入る全ボルトも十分に洗浄しておく必要があります。


組み付け直前のブロック。本物のプロ?はオイルラインの全プラグ類を抜いて洗浄するそうですが、今回はボーリングなど激しく削り粉が出る加工はしていないため妥協(^^;;;

エンジンスタンドのブラケットに装着、しますが、、純正のミッションボルトじゃ短くて届かない。この細目・ロングキャップボルトはそこらのホームセンターじゃ入手できないためネジ屋さんを通して取寄せ。

何も付いてないブロックならなんとか独力でセットできます、というレベルの重量。

シリンダーを上から。古いヘッドガスケットの残りカスは、事前の歪み確認時にオイルストンできっちり除去済み。

さすがプロのホーニング、、ということでむちゃくちゃ美しい仕上がりです。ピストン入れるのが勿体無い・・
因みにこの個体のボア選択記号は"2221"なので20µmくらいまでのホーニングならSTDピストンで行ける計算。それ以上はボーリングしてO/Sピストンとなります。ノーマルのピストンクリアランスは163±10µmで規定されています。

いよいよ組み付け直前、オイルラインを徹底的にエアブロー。

親(クランク)メタルを入れていきます。下穴とベアリングの間にペーストを塗ってはだめ。
この個体はブロック符号が"21222"、クランク符号が"22112"なのでメタルは"4,3,3,3,4"。メタル合わせは製造ばらつきを補償する作業ですが、ブロックは6µmステップ、クランクは5µmステップで選択符号が刻印されています。量産エンジンとは言えこれだけの重量物が高精度に製造されていることに感心します。

ベアリングキャップを規定トルクで締め付け、クランクが手でクルクル♪と回ることを確認。曲がり修正が奇跡的に完璧なレベルだと、規定クリアランスでもなかなか止まらないくらい回るらしい。。。この個体もなかなか好感触(^^v

新品ピストンリングを挿入していきます。No.1,2の違いと上下方向に注意。器用なんで?ここらへんサクサクです(^^

ピストンリングコンプレッサを使ってピストンを挿入していきます。
この際、各リングをエンジン方向に対して全て90°ずつオフセットした状態で入れる必要がありますが、汎用SSTだと微妙に回ってしまいイライライラ♪できればピストン径専用のスライダーがお薦めです。。。
子(コンロッド)メタルは"2,1,1,2"。

リアオイルシール(画像奥側)とオイルポンプ、バッフル、ストレーナを確実に組んで、オイルパンを貼れば腰下完成な状態です。

オイルポンプは元付いていたものをO/Hしましたが、そいつは保管に回して新品投入。

クランク刻印。H10年あたりを境にコンロッドボルト締め付け指定が塑性域締めに変わっている罠もあります。後から気づいて車上でオイルパンを剥がす事態になりましたよ。。

リリーフバルブです。このへんはカジり防止で十分オイルを塗って組み付けます。

オイルパンを貼って腰下完成。

予め組んでおいたヘッドを再度確認、軽くエアブロー。

燃焼室側です。

エンジンスタンド上でブロックをひっくり返してヘッドガスケットを装着。今回は純正ノンアスベストです。

ハイメカは構造上、ヘッドを合体してヘッドボルトを締め付けてからでないとカムが組めません。

反対側から。

ヘッドカバーも貼ってエンジン本体は一通り完成です。

夜空に浮かぶ??

続いて2日目、補器類取り付けです。

フロント側のスプロケット、ウォーターポンプ、テンショナ、タイベルをサクサク組んでいきます。狭い車上作業を数回経験をしていると、スタンド上での作業効率に感動します、、

下側のようす。

インマニ側より。

エキマニ側より。

リア側。これくらいのクリアランスがあればトルクレンチも全て当てられます。

清掃済みのインジェクタとデリバリーパイプ。Oリングは全て新品、うち1本はガソリンで膨張させて組みます。

スロットルセンサのクリアランス調整。シックネスゲージとテスタで抵抗を見ながら合わせていきます。

インマニを組んで水周りのホースも着々と組み付け。

デリバリーパイプを反対側から。

車上だと滅多に見られないインマニ下側を記念撮影。ベーンポンプのブラケット、負圧用の配管2本など。
次は車両搭載編です。

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